お酒に弱い日本人の割合と理由

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お酒飲めますか?
お酒好きですか?

飲めるけど好きじゃない、好きだけどあまり飲めない、様々だと思います。
欧米人に比べて、日本人はお酒に弱いイメージがないでしょうか。

では、日本人のどれくらいの人がお酒に弱いのか、外国でも弱い人はいるのでしょうか。調べてみました。

日本人でお酒に弱い人の割合

お酒の強さは日本人の研究者によって、遺伝的に明らかにされています
お酒を分解する酵素がどれだけ活性的に働いているかどうかになります。

具体的にはアルデヒド脱水素酵素2型と言います(理科や化学で習いますね)。
以下、これをALDH2と略します。

お酒の強さには大きく分けて、3種類あります。

①お酒に強い人(NN型):ALDH2の活性が高い
②お酒は飲めるが弱い人(ND型):ALDH2の活性が低い
③全くお酒が飲めない人(DD型):ALDH2の活性が全くない人

①のNN型だけがお酒に強い、と言われる人たちになります。

日本人でこの遺伝子をどの程度もっているのでしょうか。
下記はその円グラフになります。

なんと日本人は半分の5割がお酒に弱いのです。
うち、全体の5%の方は一滴も飲めない人です。

ただ、お酒に強い人は55%と半分強はいますね。

ここで気になるのは②のND型の人。お酒は飲めるけど弱い人も4割以上いるのですが、この方はALDHの活性が低く、お酒の強い人に比べると1/16ほどの活性しかありません。

つまり、強い人に比べるとかなりの差があります。

顔がすぐ赤くなる、頭痛がする、吐き気や嘔吐、二日酔いになりやすい、というのは大抵ND型のお酒に弱い人です。強い人でも短時間に一気に飲めば同様の症状は起こりえますが、NN型とND型の差は結構あります。

では、外国人を見てみましょう。
下記はヨーロッパ人のアルコール体質の円グラフです。

なんとびっくり、欧米人は99.9%以上はNN型、つまりお酒に強いタイプになります。
実は白人も黒人も全てこの型になります。

なぜ日本人だけ、お酒に弱いのでしょうか。
実は日本人だけではなく、黄色人種(モンゴロイド)はすべてそうなので、中国人など、アジアでは似たような傾向にあります。

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日本人がお酒に強くない理由

お酒の強さ、上述のNN型、ND型、DD型のタイプは遺伝で決まります
つまり、途中でNN型になりたくてもなれません

因みに、NはNormalのNです。
DはDeficientのDで、欠損という意味です。
お酒に強い遺伝子が通常で、お酒に弱い遺伝子の方が異常とも言えます。

どういうことでしょうか。

人類が誕生した頃の歴史を遡ると、当初はN型遺伝子しかなかったことが分かっています。
果物などアルコール発酵した食物を食べるためです。

D型遺伝子は突然変異により今の中国で発生したと言われています。
その遺伝子が日本にも渡来し、現在の日本人の約半数がもっていることになります。

理科でメンデルの法則を習ったのを覚えているでしょうか。
子が親から遺伝子を受け継ぐ際に、強く現れる遺伝子を優性遺伝といいます。

お酒の飲めないD型遺伝子は優性遺伝です。
日本でND型、DD型の人は長い年月をかけて今後も増えていく可能性があります。

また、両親ともにお酒が飲めない場合は、子供がお酒に強い、ということも基本的にないです。
逆に、両親ともにお酒に強い場合は子供はお酒が強い可能性が高いです。
両親のうち、片方だけがお酒が強くても、どちらか一方が弱いのであれば、お酒に弱い子の可能性が高いです。

残念ながら、お酒の強さは遺伝なのです。

お酒への対応策

これらを知って、注意しておくべき点は自分がどのタイプに属するのか、どのようにお酒と付き合っていくのか、ということです。

DD型の人は、お酒を飲むことは厳禁、薬なども含めて気を使う必要があります。命に係わる話です。

ND型の人は、ゆっくり飲む、食べながら飲む、水を飲みながら飲む、というように嗜む程度に、飲みましょう。嗜む程度がちょうどよいのです。

NN型の人は、お酒が強いからと言って飲みすぎるのは厳禁。アルコール依存症が多いのはこのタイプで、欧米では問題になっています。

お酒は適量であれば健康にいいという人もいます。
飲む量とガンの発症、高血圧、脳出血などは強い相関関係が認められています。一方、心疾患や脳梗塞、糖尿病などは適量でリスクが軽減される研究結果もあります。適量というのは、1日20グラム程度のアルコール、日本酒でいうと、1合未満です。

自分がどの程度の飲めるのか、飲めないのかを認識したうえで、上手にお酒と付き合ってください。

もっと詳しく知りたい方はこちらの本がお勧めです。

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